We Were Dead Before The Ship Even Sank / Modest Mouse
March Into The Sea / Dashboard / Fire It Up / Florida / Parting Of The Sensory / Missed The Boat / We've Got Everything / Fly Trapped In A Jar / Education / Little Motel / Steam Engenius / Spitting Venom / People As Places As People / Invisible / **King Rat **Japan only
単独来日公演2008!
(来日レポートはこちら、サマーソニック2007来日公演レポートはこちらです)
バンドをダイナミックに変貌させる為、と語るモデストマウスのフロントマン、アイザック・ブロックのご指名で加入したジョニーがバンドの一員として目一杯リラックスして楽しんでテンション上げてその技量を惜しみなく出し切ったバンド最新にして最高傑作。(アイザック自身は"Good News For People Who Love Bad News""The Lonesome Crowded West"の融合であるとPASTE誌にて発言)モデストマウスのバックカタログに同じ種のものはふたつと無く、これまでのものと比べると明らかに”いかにギターサウンドをクリアに表現出来るか”という事にウェイトを置いているように思える。リフひとつ取っても透明感を持ちつつ音粒がはっきりと立っており、それだけで充分な聴き応えがある。今やジョニーにとってボスと云って差し支え無いかも知れないアイザックは、ジョニー独自の音の特徴、生かし方、決めどころを完全に理解していたのだろうと思わせられる。
ここで聴かれるジョニーのプレイは、今までのものとそれほど異質なものではない。それどころか私が思うに、これまでジョニーが関わって来た数え切れない程の仕事の中で最高に、”これぞジョニー!”というプレイを聴けてしまう(しまう、というのは意外にも、という意味で用いています)のだ。
すなわちジョニー一流の、バンドサウンドに自然に溶け込んでフィットしたスーパー・クリア・ピッキングの成せる、緻密で流麗でしかも生き生きとした音が、新譜中殆どの曲で鳴り響いている。本人の云う通りアイザックのプレイは、リキッド状のジョニーとは違いザラザラした感触なのでふたりのコントラストが引き立ち、一段と多彩で豊かな音世界が繰り広げられているのである。
と云っても、やはりジョニーはただひたすらにモデストマウスのごく一部でしか無く、飽くまでもアルバム・コンセプトに沿うべき演奏をしているに過ぎないのであるが、この真摯な仕事ぶりの徹底と貢献をその耳で聴く事が出来れば、誰も彼を役立たずとは決して云えまい。(ショウの様子を映像で観るに、ほぼアイザックの手はお留守なのでジョニーは多分相当働いていると思われる。コーラスもしてるしね)
コンセプチュアルなテーマを持つこのアルバムは、全編を通して5人のフィッシャーマンが釣り船に乗り込み、働き、死んだり生き返ったりする、というアイザック自身のアイディアによるものだそうである。ストーリー性のある詞はどれも面白いので、読むのではなく、是非歌詞を観ながら歌ってみて下さい。(MAKIO邦訳楽しみ方ご紹介コーナーはこちらです)また、The Shinsのジェイムズ・マーサーが”Florida”,”Missed The Boat”,”We've Got Everything”の三曲でバックコーラスを担当しており、これまた妙味のあるレイヤー・オブ・ボイスを聴かせてくれます。
(更にアイザックの婚約者、Naheed Simjee / 彼のレーベルGlacial Paceのマネージメントをしている / が "Fire It Up”でバックボーカルを、”Parting The Sensory”で手拍子とストンプを披露しています)
ジョニーがモデストマウスのメンバーになるまで。と、これから。
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その始まりはこういったものである。アイザックがマネージャーにマンチェスターのジョニー宅電話番号を調べさせ、だめもとでコンタクトを取った所、思いがけずジョニーの”OK”コールバックがあったという。彼がジョニーを新作のギタープレイヤーに選んだ理由は、ジョニーが多種多様な音楽の知識を豊富に持っていた事、ギターのアプローチが自分とは全く異なっている事などを挙げている。しかし、特にスミスファンでもないアイザックにとってジョニーは、いわゆる”ずっと好きだったギターヒーロー”などでは決してなく、ある日突然”この人にしよう”と決めた感じも否めない。(彼が最初に好きになったジョニーのギターは、トーキング・ヘッズ参加時のものだったそうだ)
それがある意味功を奏し、ビジネスライクな関係を基本に置く事により、適当にリラックスした楽しげな中にも過度な馴れ合いを排除して作業を進めて来たであろうという緊張感を背後に感じさせるのである。実際アイザックがいの一番にジョニーに確認した事項は、バンドにどこまで関われるかという事で、それはジョニーが責任を持ちうるべき一連の活動をあらかじめ明確にしていたとも云える。このようなアイザックの完璧なお膳立てと采配により決まったジョニーの役割分担は、ツアー同道は勿論、PVにも出演のフルタイムメンバーである。
一方のジョニーと云えば、唐突なアイザックのオファーに驚きはしたろうが未知の世界へ飛び込む事へのトキメキの方が勝っていたようで、モデストマウスの大ファンである息子や家族に後押しされ半ニート状態をめでたく脱却。本人より、父がこれからいざ行かんとするバンドの曲を弾けてしまうその息子のおかげでモデストマウスの音楽性を知ってはいたものの、完全アウェーでビハインド状態である事に変わりはなく、とりあえずレコーディングの仕事は持ち前のセンスと勘で完璧にこなしたが本当に大変なのは、これから長きに渡って続く新譜ツアーの間に、この新天地(バンド)においてどれだけ”お客さん感”を払拭出来るか、であるように思う。しかし今では、バリバリモデストマウスのただの一員である事に思いっきり喜びを見いだしてしまっているのが、ダッシュボードのPVやライブ映像などを見れば一目瞭然である。
この、一見珍妙に見えてその実稀有なほどにまっとうなコラボレーションがこれからも続くかどうかは誰にも解らないが(ジョニーのボスであるアイザックはBillboardのインタビューで、ジョニーだろうと他のメンバーだろうとバンド内の立場はみな同じである、というような事を述べている)、これからモデストマウスにおいて起こるであろう二度とは訪れない瞬間を、私は楽しみにしていたい。
(2008年2月からジョニーとモデストマウスはともに新譜作成に取りかかるようです)
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かつてのジョニーはモリシーの自宅を訪問する事で、彼を救ったと云われている。が、救われたのはジョニーも同じで、今回はアイザック・ブロックなる不躾(失礼)な若者の心躍るような申し出によってちょっとだけジョニーが救われるとともに、訪問者をもちょっとだけ救うという理想的なおまけがあったらいいな、と思う。MAKIOお薦め曲*Fly Trapped In A Jar
- **MAKIO2007MAR.22/2007 FirstEdition**